医院ブログBLOG
マイクロ三昧
2010年10月11日先日マイクロスコープを使って行う、歯の根の治療のアドバンスコースに参加してきました。
歯医者の治療の中で日々当たり前のように繰り返される歯の根の治療。
いわゆる「神経の治療」ですが、実際直径1センチもない歯の中の1ミリもない洞穴の中を掃除するので、レントゲンや歯の解剖学をもとにあくまで「予想」と「想像」をして、手の「感覚」で治療をしている世界です。
なので、実際は治療してもやはり汚れの取り残しがあり、そこから少しずつ細菌感染がはじまり、何年か経過すると根の先が膿んできてしまうという事がかなりの頻度で起こります。
膿んできてしまうと、治りも悪く、最終的には抜かなければならなくなってしまう事も多々あります。
なので、歯の根の治療をより確実性のある治療へと成功率を上げる事は、結果として自分の歯を残すことに直結してきます。
その中で、歯を20倍くらいまで拡大してみることが出来るマイクロスコープを使う事は歯の根の治療の精度を飛躍的に向上し、肉眼では針の穴程度のものが、大きな洞穴としてとらえることができます。
実際マイクロスコープ下で治療してみると、驚くほど根の中は複雑な鍾乳洞のような構造で、従来の手の感覚では汚れは殆どとれていない事に愕然としてしまいました。
インストラクターの先生に手取り足取り指導を受けながら、二日間マイクロスコープ覗きっぱなしのトレーニングでした。
夜はフラフラで気を失うように眠りにつきましたが、おかげで何かをつかんだ確かな感触も得られました。
マイクロスコープも、覗けば全てが解決されるものではなく、実際は遠隔操作のような感覚もあり、その作業のほとんどは鏡に反射した像を見ての作業です。
つまり、上下左右が逆さまの世界の中で、1ミリ以下の世界の手の動き。
最初は「もーーー!!」となってしまうのですが、一山乗り越えれば別世界の広がりが見えてきます。
歯科治療に対して、ワクワクドキドキするとても楽しい時間でした。
最近週末は東京続きなので、息子の寝顔しか見ることができず、断腸の思いで参加しましたが、自分の今後の歯科医師人生にとって非常に価値のある二日間になりました。
来週末はカメラとビデオをかついで、息子と公園で走り回ろうと思います。
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